今後の人口減少社会に向けて

 私が委員長を務める「自民党人口減少社会対策特別委員会」では、来年4月から始まる新たな「子ども・子育て支援制度」について昨年来議論を続けてきましたが、3月末迄に、政府が新制度の下での保育の利用料や国の補助額を定める公定価格の骨格を定めることになっていることから、政府の審議会(子ども・子育て会議)における検討と並行して、2月以降は連日のように関係議員との打ち合わせや会議など議論を重ねてまいりました。
 新制度では、待機児童の解消という保育の「量の拡充」と保育士等の処遇改善など「質の改善」が求められていますが、先般政府は新制度で必要な追加費用が年間1兆円以上に上るとの試算を公表しました。
 このうち消費税が10%に引き上げられた際の年0.7兆円の財源については社会保障・税の一体改革で決まっており、残りの0.3兆円超については予算編成過程で財源の確保に取り組むこととなっています。
 したがって公定価格に盛り込む事項を検討するに当たっては、現時点で財源確保が担保されている「0.7兆円の範囲で実施する案」と、「1兆円超の範囲で実施する案」を整理して検討を行い、その中身について同委員会で議論を重ねてまいりました。
 一方、安倍政権は、平成29年度末までに待機児童の解消を打ち出しており、これを実現するために「量の拡充」として0.4兆円を必要としていることから、限られた財源の中で、具体的にどのような「量の拡充」と「質の改善」に取り組むかの方針を整理する必要があり、委員長として意見の取りまとめに注力してまいりました。
 去る3月20日の同委員会では、財源確保が担保されている「0.7兆円ベース」のものについての方針が了承され、同時に、「今後1兆円超の財源確保に向けて、政府与党が一致協力し努力していくこと」や、「幼児教育・保育の質の改善と量の拡充を進めるためには、幼稚園教諭や保育士等の処遇改善が必要不可欠であり、財源を確保しながら更に段階的に改善を図っていくべきこと」など、これまで同委員会で議論したことを意見書として取りまとめました。
 これを受けて3月25日には、高市早苗自民党政調会長にこの意見書を手交、今後、政府に対しても申し入れを行う予定です。

(写真)3月25日、高市政調会長へ自民党人口減少社会対策特別委員会で取りまとめたことを説明(於自民党政調会長室)

(写真)3月20日、自民党人口減少社会対策特別委員会で挨拶(於自民党本部)

(写真)これに関連して、去る2月26日には「にっぽん子育て応援団」の當間事務局長、NPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤氏より、子ども・子育て支援新制度に関するご要望を頂きました。(於参議院議員会館)

(写真)2月4日には、長崎県保育協会の子ども・子育て支援新制度に関する勉強会が開催され、国会議員との意見交換会に出席、挨拶しました(於自民党本部)

 3月17日には、参議院農林水産委員会で質問に立ち、わが国の水産業復活に向けて林芳正農水大臣の見解を質しました。
 質疑の中で私は、かつて世界一だった日本の水産業を復活させるためには、日本の国全体として水産業をどのように捉え、どのように予算を投入していくか具体的な戦略を立てる必要性を訴えました。
 また、漁業用燃油が高止まりする中で、現行の燃油対策では今後補填額が減少していくことを指摘、わが国の漁船漁業に壊滅的打撃を与えるとして、水産関係予算の拡充と抜本的な燃油対策を打ち出すことを林大臣に対して強く求めました。
(写真)参院農水委員会にて林大臣に質問(於参議院委員会室)

(写真)3月18日には長崎県漁連の川端会長他と県選出自民党国会議員との間で、玄海原発の再稼働について意見交換を行いました。(於衆議院議員会館内)

 さて、長崎県や沿線自治体が強く要望している西九州自動車道の松浦~佐々町間(約19km)の早期事業化について、私は野党時代より地元の皆様と一体となって政府に強く働きかけてまいりましたが、去る3月12日に開催された政府の社会資本整備審議会で、平成26年度からの建設着手が認められ、西九州道が全線開通する見通しとなりました。同区間は西九州自動車道唯一の未着手区間であり、早期事業化が地元の悲願でした。
 3月20日に、平成26年度予算が国会で成立したことを受けて、まもなく事業化が正式決定する予定です。
(写真)これに関連して去る2月5日には、地元平戸市議会の吉住議長ほか議員の皆様が西九州自動車道の26年度事業化の要望に来訪されました(於参議院議員会館)
 3月1日、壱岐市と対馬市でそれぞれ行われた市制施行10周年記念式典に出席しました。合併により両市が誕生したのは私の長崎県知事時代であり、知事として合併を推進した経緯があります。合併後、両市は大変な行政改革に取り組み、財政の効率化を図ってきましたが、一方で人口減少が進行し、合併による新たな財政需要が生まれるなど財政基盤は安定しておりません。私はこれ迄も、このように国策に協力した合併自治体が報われるよう取り組んでまいりましたが、今後も引き続き全力を尽くしてまいります。
(写真)3月1日、壱岐市市制施行10周年記念式典で挨拶(於壱岐文化ホール)

(写真)3月1日、対馬市市制施行10周年記念式典で挨拶(於シャインドームみね)

 2月26日には、中村法道長崎県知事をはじめ県内関係市町、産業界、学界の皆様とともに内閣府の山本一太海洋政策担当大臣を訪問、海洋再生可能エネルギー実証フィールドの公募について、長崎県の提案書を手交しました。
 長崎県としては、五島市椛島沖など3海域において浮体式洋上風力など海洋再生エネルギー実証フィールドの誘致を目指しており、海洋国家の新たなビジネスモデルとして、海洋エネルギー産業の拠点となるよう県内の政財学界が一体となって取り組んでいます。
採択の可否については、新年度早々に決まる見通しです。
(写真)中村知事ほか県内関係自治体、産業界・大学の皆様と共に山本大臣を訪問(於内閣府大臣室)

(写真)これに先立ち、知事をはじめとする要望団の皆様より同内容についてご要請をいただきました(於参議院決算委員長室)

(写真)2月13日、国境離島に関する新法制定に向けてのご要望に、対馬・壱岐・五島3市の市議会議員の皆様がお越し下さいました。国境に接する離島では、わが国の領土・領海・領空の保全など国家的役割を果たしている一方で、人口流出により島を維持することが困難な状況に直面しています。国境離島の雇用を創出し、人口減少に歯止めをかけられるよう、新法制定に向けた検討を加速させてまいります。(於参議院議員会館)


 さて、総額約96兆円の平成26年度予算は3月20日に戦後3番目の早さで成立しました。今後は、2月に成立した平成25年度補正予算と合わせた予算の早期執行により、消費税率引き上げによる経済への影響を抑えていかなければなりません。
 後半国会では、安倍総理が重視する集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈の見直し、成長戦略の改定などの懸案事項が山積しておりますが、参議院では当面、決算審査が集中的に行われる見通しです。
 決算については、平成23年度の審査が1年以上遅れており、現在、決算委員会には2年度分の決算が付託されているという近年では例を見ない状況にあります。昨年2月に、決算参照書類に多数の誤りが見つかり、その訂正に時間がかかったこと等により、本委員会は昨年1年間で2回しか質疑を行えませんでした。
 したがって2年度分の審査を今国会中に終えるために、平成23・24年度を一括して審査することとし、今後集中的に決算審査を行っていく予定です。
 何としても今国会中に審査を終え、その結果を来年度予算の概算要求に反映させるべく、私自身、決算委員長として充分な時間を確保し、充実した審査を行ってまいりたいと存じます。